ダイソン102,300円!中華製サイクロン8,299円!
Amazonで「ダイソン 掃除機」と検索するとおびただしい数の怪しい中華製掃除機がヒットします。価格の差はあるものの、そのどれもがダイソンの掃除機をパクったかのような似ているデザインをしていますよね。なかにはProscenicというあたかもPanasonicみたいなメーカーもあるのでここまでくるともはやギャグです。
(ドラゴンボールとドラゴンボーヤの違いか?)
今まで多くの怪しい中華製ガジェットを購入してきましたが、個人的な意見としてはノンフライヤーやサイクロン掃除機のように構造がシンプルな製品に限ってはそれなりに信頼できると思っています。逆に精密機器に分類されるドラレコやボイスレコーダーに関しては、使っていて燃えた経験があるので二度と購入したくはありません。
さすがに「ダイソン以上の吸引力で9,980円!」は表記詐欺のように感じますが、実際のところ怪しい中華製ガジェットのほとんどには安全性を最優先に設計されていない感があるので、たまにリミッターを超えたような性能をもつ製品に出くわすことがあります。一昔前の富士通製スマホに見られた「スペック優先で熱暴走をする」現象に少し似ています。
今回はそんな怪しさ満点の中華製サイクロン掃除機のレビューです。ちなみに私が格安中華製ガジェットを購入する際に留意していることは以下の2つ。
- レビューを鵜呑みにしないこと。
- 安いので楽しむこと。
しっかりと商品説明に目を通し「この製品でこの価格帯なら中華製でもあり得るよな」というみきわめを行うことが大切です。例えば「吸引力が24kpaで8,000円!」という価格設定であれば、中華製の中でも不自然に安すぎるので基本的には手を出さないようにしています。8,000円台なら18kpaが妥当なラインです。
ということで今回購入したのはAmazonで8,299円で販売されていたinseのコードレスサイクロン掃除機。ロゴのダサさ以外はそこそこカッコいいデザインをしているのと、フィルターが不織布ではなく金属製だったので水洗いが楽そうであったことがポイントです。この価格でパワーヘッド付きなのは怪しい中華製の特権!
梱包はいつ見てもAmazon。
箱はアクのないシンプルなデザインで好印象。むしろ日本製品の箱の場合はなぜか空気清浄機の前でニコニコ笑っている家族の姿だとか、扇風機の前で笑う子供たちとか、いやいやそんなところで笑うヤツいないだろ的なシチュエーションが描かれていることが多いので、そのへんは中華製品のシンプルさを見習ってほしいところです。
ちなみに今まで使っていた掃除機はこちら。すでにAmazonから会社が消えていて身元不明なYUNDOO社のサイクロン掃除機。軽さに起因する使いやすさと吸引力は申し分ないのですが、先端が自走式パワーヘッドではないのでネコの毛を吸引するには何度も往復させる手間がかかります。やっぱりパワーヘッドは欲しいですよね。
そしてこちらが今回購入したコードレスサイクロン掃除機の内封物。アイリスオーヤマもビックリな備品の多さです。しかしながら備品の多さが必ずしもアドバンテージにならないところが中華製のあるある。基本的にフィルターとブラシ以外の部品はほぼゴミです。特にネジ留めタイプの収納フックは壁に穴を開けたくないので私にとっては無用の産物。
そして今回のトピックでもある自走式パワーヘッド。我が家のフローリングはすべてタイルマットを敷いて保護しているので(おかげで床暖房が使えない)このタイプでないとネコの毛が取れません。
説明書はちゃんと読めるタイプ。ところどころ日本語がおかしい部分もありますが、以前購入した中華製格安防犯カメラの説明書に比べれば全然マシなほう。
掃除機の主電源となるリチウムイオンバッテリーは当然ながら充電式。メーカー公表値では5.5時間の充電で最長45分の連続使用ができるそうな。実際の充電時間と連続使用時間も計測したので後述します。ACアダプターにPSEマークが記載されているのは地味に凄いですね。嘘かもしれませんが何も書かれていないほうが圧倒的に多いので…。
時限爆弾のようなインジケーターも搭載。充電中は点滅、充電が終わると全点灯します。
フィルターは金属製なので手入れは簡単そうです。以前の掃除機は不織布タイプだったので洗うのも乾かすのも大変でした。
そして中央に鎮座するダサいロゴ!このMicrosoftのWordで作ったかのような太ゴシック、斜字、小文字の組み合わせが絶望的にダサいです。全体的な掃除機のデザインはカッコいいのに、このロゴだけですべてを台無しにしてしまう破壊力があります。読み方も「インセ」なのか「インス」なのか分かりません。ロゴが読めないのは中華製あるある。
電源を入れるとパワーヘッドのLEDが光ります。最初はいらないギミックだと思っていたのですが、カラーボックスの下やキッチンの角などの比較的暗い箇所で効力を発揮してくれる便利な機能でした。パワーヘッドの回転もスムーズかつ力強くて良い意味で期待を裏切られた感じ!唯一の難点はロゴマークがぶっ倒れそうになるくらいダサいこと。
電池残量は取っ手部分にあるインジケーターで確認できます。使用方法はダイソンのような「トリガー押しっぱなしタイプ」ではなく「スイッチ式」なので癖がなく扱いやすい印象ですね。スイッチを押して弱、もう一度押すと強、さらに押すと電源がオフになります。個人的にトリガー式だと指が痛くなるので、スイッチ式を採用してくれたのは嬉しい。
全体像はこんな感じ。個人的には好きなテイストです。前述した通り格安中華製掃除機のほとんどは深センで製造されるOEM品なので、微妙に異なるデザインとロゴマーク、価格以外は基本的に同じ製品だと思って差し支えありません。ですのでここは潔く「自分の好きなデザイン」に割り切って選んだほうが幸せになれると思います。
ゴミの排出は下からパカッ方式。ダストボックスごと外せるタイプと比べると掃除をしにくい反面、ゴミを排出する手順に関してはめちゃくちゃ楽です。ダイソンみたいにフレームを外してガシャン!なんてことをしなくても一発で排出できるのは本当に便利。
パワーヘッドはハードブラシとソフトブラシの組み合わせ。全面ソフトブラシではないのでカーペットやタイルマットの上でも使用可能。
さっそく部屋全体を掃除してみたのですが、吸引力は予想以上に強かったので申し分ありません。さすがにコードタイプのサイクロンには出力で劣りますが、そこはパワーヘッドの力でグイグイとゴミを吸い取ってくれます。今まで取れなかったネコの毛も数回パワーヘッドを当てれば取れるのでなかなか優秀ですね。
ちなみに充電時間はメーカー公表値の5.5時間(残量ゼロの場合)でおおよそ合っていると思います。使用頻度が高いと思われる強モードでの連続使用時間は約12分、弱モードで約20分となりました。さすがに45分の連続使用は無理がありますが、商品ページにはしっかりと「最長45分」と記載されているので嘘の表記というわけではありません。
inseのサイクロン掃除機は買いなのか?
個人的な感想としてはズバリ「買い」です!8,299円でこれだけ使えれば十分です。絶対的な吸引力があるわけではありませんが、だからといってダイソンを選ぶのも少し違うと思います。確かにダイソンの吸引力は他社を圧倒するほどのパワーをもっていますが、ここで忘れてはならないのはあくまでダイソンもコードレス式であることです。
絶対的なパワーであればコードレス式がコンセント式に敵うわけがありません。今回この掃除機を使ってみて分かったことは「コードレス式は出力の低さをパワーヘッドで補っている」という点でした。ダイソンはおそらくこのパワーヘッドが優秀であり、絶対的なパワーが特出しているわけではありません。
それにダイソンであっても取れないゴミ(特にペットの毛はコンセント式であっても手強い)は取れません。個人的な意見としては手軽に使えるコードレス掃除機の利点を生かすのなら、決して高い掃除機ではなく格安中華製掃除機でも十分だということです。猫の毛を取りたいのなら10万円払わなくても8,299円でどうにかなります。
本当にパワーを求めるならコードレスは諦めてコンセント式を買って下さい。それにパワーヘッドが加わればほぼ最強です。バッテリーも搭載していないので充電するごとにパワーが落ちることもありません。使い方は人それぞれ異なるので、自分に合った掃除機を選べれば結果的にベストになると思います。
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