25万円で購入した三菱 アイ(660G)

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すべてが独創的な三菱のスモールプレミアム

  • エンジン:直列3気筒/660ccターボ
  • 諸元:64馬力/トルク9.6
  • 駆動方式:MR
  • 分類:軽
  • 年式:2007年
  • 価格:25万円(中古)
  • 走行距離:52,800km

三菱 アイ 660G


後席欲しさにZ4のセカンドカーとして購入しました。Z4では詰めない荷物の輸送や買い物に使う程度の実用車として導入したので特にこだわりはありませんでしたが、気がつけばZ4と同じく個性の塊である三菱アイを購入していた感じです(笑)数ある軽の中でも何故この車を選んだのか…まずはこのへんを説明致します。

そもそも車を買い替えるか、それともセカンドカーを購入するのかでかなり悩みましたが、結果的にZ4を手放したくないという意向になり(やはり自然吸気の6気筒は貴重)セカンドカーの導入に踏み切りました。2台目として購入するのなら特にこだわりもないので安くてそこそこ使えれば何でもよくなっちゃうんですよね。

そうなると安さの代名詞でもある軽自動車が候補として挙がるのですが、調べてみると軽自動車の場合は初年度登録から13年経過しても自動車税が12,900円(13年未満は7,200円)という破格の安さ。これが1,500cc程度の普通車だと初年度登録から13年未満で39,500円、13年以上で45,400円と数倍の差が出てくるわけです。

正直1,000cc〜1,500ccあたりのNA(自然吸気)モデルと660ccのターボモデルを比べても動力的には体感上の差があまりありません。最高速度を考慮すれば普通車のほうが有利であることに間違いはないのですが、どちらも高速走行には不向きなので日常使いがメインであれば大したアドバンテージにはならないのです。

私がセカンドカーを購入する際に留意したポイントが以下の3点です。

  • 軽自動車ならターボ付であること
  • 安いこと(購入価格が高いと軽自動車の意味が薄い)
  • 欲を言えばデザインが良いこと

これらの要件をすべて兼ね備えた車が三菱アイだった…ということです。個人的には一般的に人気があるとされる四角い車が嫌いなので、先鋭的なアイのデザインは第一印象で私の心に残りました。しかもターボ付で25万円!とりあえず動いてくれればセカンドカーとしての意味は十分に成してくれます。

少しだけ三菱アイという車を説明させて頂きたいのですが、一言でまとめれば「三菱が危ない時期(例のリコール問題)に起死回生の役割を担った総力を結集した車」という感じです。詳しくは以下のインプレッションで記載しますが、とにかく軽自動車としてはある意味失敗レベルのコストがかかりまくっています。

例えるならホンダのS2000がそうだったように、MRレイアウトのシャシーもそれを実現させるためのアルミブロック、バンク角45度の専用エンジン(後に他の軽自動車にも流用)も普通の軽自動車なら費用対効果的に絶対にやらないような車づくりをしているのです。それでも安いのはただ単純に人気がないから。

多くの人が軽自動車に望むものは積載性であり、とにかくギリギリまで四角くすれば当然ながらスペース効率を最大限に引き出すことが出来ます。ですのでメカニズムやデザインに全振りしたアイは軽自動車に求められる要素からは少し異なるポジションにいるのでしょう。実はその分安くて買い得感のある車なんですけど。

エクステリア


他の軽自動車にはない先鋭的な印象のフロントビュー


ワンモーションフォルムが印象的なサイド


シンプルかつ高揚感のあるリアビュー


三菱アイの特徴を語る上で絶対的に外せないのがエクステリアデザイン。4隅にホイールを配置することでコンパクトカー以上(少なくともコルトよりは長い)の長さを誇るホイールベース、卵みたいにラウンドしたワンモーションフォルム、絶妙なデザイン処理により広大に見えるフロントウィンドウ…。

平たく言えば空想の世界における未来の車…といったイメージでしょうか。大半の軽自動車は全体的なフォルムやピラーを見れば何となく年式が分かってしまいますが、このアイの登場はなんと2006年!なんと17年前の車なんですよ。17年前の同じような軽自動車と比べると明らかに先鋭的なデザインをしていると思います。

MRというレイアウトが実現した唯一無二のこのデザインは、後に国産車初の量産型EV(電気自動車)としてラインナップされるアイMiEVのベースとしても非常に適した形状をしています。ちなみに軽自動車としては初のグッドデザイン賞を受賞しているので、功績面から見ても異例な軽自動車と言えるでしょう。

ちなみにですがアイのフロントワイパーは世にも珍しい1本ワイパー。かつてのメルセデスやヴィッツにも採用されていた例があるのですが、いつの間にか消えていましたね。ウォッシャー液もデザイン優先の為か、ボンネットフードやその裏側ではなくワイパーブレード自体から噴出される仕組みになっています。

インテリア


オーソドックスなインパネ形状


メーターのアンバー色照明


ショートストロークのゲート式セレクターレバー


エアコンの内気循環の表記がアイになっている(右側中心)


グローブボックス周り


グローブボックス内部


先鋭的なエクステリアデザインと比べるとインテリアは地味な印象が否めません。円を基調としたテイストはアイのイメージにはピッタリなのですが、プレミアムスモールという位置づけから見ると文字通りのプレミアムさを感じることはないでしょう。質感が一般的な軽自動車レベルなのは少し残念。

恐らくコストのほとんどを後述するメカニズムに割いている都合上、これ以上の価格高を抑えておきたい意図があるのだと思います。メーターは速度をデジタルに、回転計をアナログにすることで若干スポーティーな印象を醸し出しているのですが、照明がオレンジなのでやはり時代を感じますね。

とりあえず運転席に座ってみるとその視界の広さに驚きます。着座位置も比較的高いので運転席からの見切りは良好です。むしろ下げたいと思っても想像以上にシートが下がらないので、私のように身長が180cm以上ある方には隠し切れない違和感を感じるしれません。気分はまさしくノッポさんです(←古い)。

後席は当然ながらリクライニングは出来ますがスライド機構はありません。これはエンジンがシートの後ろにあるMR(実質RRと言えなくはないくらいの位置)であるからこその弊害。それでも軽自動車の中では背が高いほうなので視覚的な狭さは一切感じません。物理の狭さは体格によります。


普段はマットでエンジンが隠れている


マットを開けると分厚い断熱材の下にエンジンカバーが見える


荷室もエンジンが床下に収まっている都合上、高さがあるので今どきの軽自動車と比べると詰め込みにくい印象はあります。ただカタログによく記載されている段ボールの箱を何個も積み込むようなシチュエーションは一般的な使い方ではほとんどないので必要にして十分です。Z4と比べれば天と地との差があるくらいです。


床の位置の高いラゲッジルーム


広さは軽自動車の実用レベル


後席を倒すことで広い空間を確保(実はあまり使わない)


後方にエンジンを搭載することで軽自動車では唯一後面オフセット衝突(いわゆる正面衝突)にも対応しています。後ろにチャイルドシートを積んでもほんの少しだけ安心できる気がしますね。ただ所詮は軽自動車…普通車以上との衝突に対しては不利なので安心は出来ても安全ではありません(質量の法則)。

走行インプレッション

何と言ってもMR…!エンジンが後ろにあるのでアクセルを踏んだ際の後ろから押される感は特筆もの…というか地味に感動ものです。良い意味も悪い意味も両方含めると「背が高いレーシングカー」のようなテイストなんです(笑)軽自動車なのにストレスを感じないどころか運転していて楽しささえも感じてしまうレベル。

ハンドルもエンジンという重量物が後ろにあるのでクイクイっと怖いくらいに軽く動きます。車体は900kgもあるので決して軽い部類ではないのですが、後輪駆動という抜群のトラクション(前進するときは後ろに荷重がかかる)から得られる3気筒の660ccターボは想像以上に車をキビキビと動かしてくれます。

当然ながら所詮は64馬力なので軽自動車の常識以上にパワフルなわけではありませんが、かつてのプレオやムーヴのような同じターボと比較してもどん詰まり感が皆無なので、やはりフロントが軽いことによるメリットが生かされているのだと思います。Z4とはまた異なるベクトルで楽しい車。

静粛性も室内にエンジンが同居しているとは思えないほど普通です。一方でアイドリング時における3気筒ならではの振動はもはやお約束レベル。「まぁ軽だから仕方がないよね」という部分はご愛嬌といったところでしょうか。ブレーキも特別効きやすいわけでもないので、ドイツ車から乗り換えた瞬間は少し危険です。

整備無車両のリスク

ちなみに私が購入したアイは車検付の整備無モデル。いわゆる車検は取るけど点検はしない…例えて言うなら「誰かから買い取ったPS5をそのまま店頭に並べる現状渡し」のスタイルです。ボタンを押してしっかりと起動するか、ディスクをしっかりと読み込むか、異音がするか等は基本的には調べずに販売されるイメージです。

そもそも法定車検と法定整備の違いがよく分からない方もいらっしゃるかと思うので簡単に説明すると…。

  • 法定車検…2年毎(新車時のみ3年目)に行う一般的なイメージの車検。これを行わないとナンバープレートが没収される。各種税金を支払う必要があるので費用が高くなる。
  • 法定整備…中古車業界だと法定12ヶ月点検を指す場合がほとんど。ブレーキ等を分解して異常がないかを調べる。実は法律で定められている「義務」なのに罰則がないから実際にこれを行う人はかなり少数派。つまりほとんどの人は法令違反をしているけど罰則がないから何も起こらない…というか法定12ヶ月点検の存在すら知らない人も多い。

つまり安い中古車を購入する上では車検はもちろん法定12ヶ月点検を行ってくれるのかも留意する必要があるのです。ちなみに「車検が通る=しっかりと整備されている」わけではありません。正直言ってかなりガバガバなので、エンジンから異音がして今にも燃えそうな気配がしても基準さえ満たせばクリアになります。

つまり「整備無」と記載されている車は購入の時点で不具合を抱えているリスクがあり、「安いのには訳がある」の典型例とも言えます。私が購入したアイも整備無モデルだったので、納車と同時に車検館で法定12ヶ月点検を行ってもらいました。軽自動車の場合は6,050円でしっかりと見てもらえるのでかなり割安ですね。

結果として私のアイは「アタリ」車でした。危惧していたオイル漏れやブッシュの異常、下回りの亀裂等も特になく、若干バッテリーが弱っているだけで大きな不具合もなかったので結果的には良かったです。もしこれが不具合だらけだったら数十万円単位での出費も覚悟しなければならないので怖いですよね。

軽自動車の耐久性を実感した三菱アイ

私のアイは2007年式なので16年落ちなのですが、それを感じさせないレスポンスと今でも色褪せないデザインはまさに奇跡とも言えます(もう二度とこんな車は開発されないという意味も込めて)。樹脂やゴム系の耐久力もさすがは日本車!軽自動車であってもドイツ車を凌駕する耐久力です。

色々な方の話を聞くとこの車が三菱製であることにも要因があるそうです。納車をして下さった整備士の方にも「この時代の三菱のエンジンってとにかく頑丈なんですよね。同じ年式でもダイハツとかスズキの車って見ないじゃないですか?でも三菱のeKワゴンとかって古くても走っているんですよ!」とのこと。

結局のところ車は家と同じで使い方やメンテナンスによって寿命が左右されます。その上で三菱の場合は機械的な部分が強いのか、それとも三菱を選ぶ人にメンテナンス好きな人が多いのかは定かではありません。現状ではアイのスタイルにも動力的にも満足しているので、こんな軽もあるんだなという感じで楽しんでいます。

次回はバッテリー交換や樹脂の保護等のメンテナンス系を記載していこうと思います。

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