2代目パクリーム
- 直列4気筒
- 1,800cc
- 132馬力/トルク17.3
5ナンバー(一部グレードは3ナンバー)、7人乗り、低重心を謳った乗用車テイストのミニバンとして絶対的な人気を手にした初代ウイッシュ。そのコンセプトから全幅、全高、全長のすべてをホンダストリームからパクった影響でトヨタパクリームとも呼ばれています。
トヨタはこのあたりの戦略が得意で、他のメーカーが人気の出そうなジャンルを開拓するとすぐにパクって(若干商品力を向上させて)トヨタの絶対的な販売力で一気に攻勢を図ります(逆に売れないと判断したジャンルには手を出さない)。例えば…
- ホンダ SM-X → トヨタ bB
- ホンダ ステップワゴン → トヨタ ノア
- ホンダ ストリーム → トヨタ ウイッシュ
- ホンダ モビリオ → トヨタ シエンタ
- スバル レガシィ → トヨタ カルディナ
などなど。このどれもがパクリ元となった車種よりも売れているあたりはさすがトヨタ!唯一トヨタが惨敗したのはレガシィくらいか。ちなみに日産も妥当レガシィを掲げてスカイラインベースのステージアを投入しましたが呆気なく叩き潰されました(笑)
この中でも群を抜いてパクっている車種が今回レビューするウイッシュであり、まさかの3サイズがストリームと完全一致であることからホンダ側もストリームのCM内で「ポリシーはあるか?」と問いかけてくる始末。恐らくその相手はトヨタであると思われます。
そんなウイッシュの2代目モデルです。
エクステリア
初代と比べるとよりスタイリッシュになった印象です。そもそも低重心を謳っているモデルなのでスポーティーなテイストになっていくのはもはや必然。これがカッコいいのかどうかは判断しかねますが、何となく商用車チックになった気も…。
インテリア
なんだろう…材質の影響か初代よりもチープですね。エクステリアと同様に商用車チックなスポーティーさを感じます。メーターはふつう。本当にふつう。アイシスとかそのあたりのメーターを流用してそのままつけた感じ。
後部座席はなかなか広いです。グラスエリアも広いので進路変更や巻き込み確認がしやすいあたりは非常に良点!
3列目シートを倒すとふつうのワゴンみたくなります。
荷室の下にも物置スペースがありますね。洗車グッズとかを一時的に収納すれば見た目的にもスッキリします。
走行インプレッション
加速性能はふつう。そもそもトヨタの1,800ccクラスは基本的に「ふつう」であり、2,500ccあたりから運転に余裕ができ、3,500ccを超えると明らかに運転が楽になります。1,200ccほどの過不足もなければそれ以上の強さもありません。
CVTの影響もあってか初期加速は必要にして十分なレベルに達しています。バルブマチックなるギミックを搭載しているらしいのですが、それが何なのかはよく分かりません。体感上はプレミオと変わらない1,800ccエンジンのそれです。
気になる点は第一にハンドルですね。なんでこんなに動きがヌルヌルしているのでしょうか?イメージ的には1990年代から2000年代初頭で販売されていたトヨタ車のテイストです。ビスタとかウィンダムとか初代ヴィッツとか…。
近年のトヨタ車はやたら軽いか不自然に重いかのどちらかに偏る傾向があるのですが、このヌルヌルっぽさは悪い意味で懐かしさを感じます。ただこれ最近の車ですよね?故障でもしているのでしょうか。アクセル、ブレーキペダルもキュッキュッと鳴ってうるさいです。
さらばウイッシュ
当時はもてはやれた低重心型ミニバンの居場所はもうありません。完全にブームが去ってしまったのです。先駆けとなり奮闘していたストリームも消滅し、代わりにやる気のないジェイドをラインナップに加えました。そのジェイドも今年7月に消滅しています。
トヨタは人気がないと分かれば撤退は早いです。気がつけばウイッシュは市場から完全に消えていて、ほとんどのユーザーは背の高いノアやアルファード、或いはSUVのほうに目が向き、今ではトヨタの看板車種はダイハツ製のライズとなっています。
逆に言えば中古車市場で相場的に安く売られているウイッシュは費用対効果の面から見れば有力な候補に挙がるかと思います。優れた積載性、万が一の7人乗り、そして安定のトヨタですから日常の足として車が欲しい人には良い選択なのかもしれませんね。
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