【inse N5】怪しさ星5レベル!格安中華製コードレス掃除機の実力

記事内に広告が含まれています。
広告

ダイソン102,300円!中華製サイクロン8,299円!

Amazon商品サイトではほぼ侵食状態の中華製サイクロン掃除機

Amazonで「ダイソン 掃除機」と検索するとおびただしい数の怪しい中華製掃除機がヒットします。価格の差はあるものの、そのどれもがダイソンの掃除機をパクったかのような似通ったデザインをしています。なかにはProscenic(プロセニック)というあたかもPanasonic(パナソニック)みたいなメーカーもあるので、ここまでくるとパクリを通り越してギャグの世界です。

私はこれまで多くの怪しい中華製ガジェットを購入してきましたが、個人的な見解としてはノンフライヤーやサイクロン掃除機のように機構がシンプルな製品に限ってはそれなりに信頼できると思っています。逆に精密機器に分類されるドラレコやボイスレコーダーに関しては、使っていて燃えた経験があるので二度と購入したくはありません。

さすがに「ダイソン以上の吸引力で8,299円」は表記詐欺のように感じますが、実際のところ怪しい中華製ガジェットのほとんどは安全性を犠牲にして性能に特化した感があるので、たまにリミッターを超えたようなオーバースペックな商品に出くわすこともあります。しかしながら掃除機に至ってはモーターを回すだけなので、むしろバッテリーよりも充電器のほうが心配です。

怪しい格安中華製ガジェットの購入には遊び心が必要

ちなみに私が怪しい格安中華製ガジェットを購入する際に留意している点は以下の2つ。

  • レビューを鵜呑みにしないこと。
  • 安いので楽しむこと。

そもそも怪しい中華製ガジェットかどうかの判断基準は意外と簡単です。

  • 似たようなデザイン、価格帯の商品が大量に流通している商品。
  • 「令和最新」「2025年最新」など、やたら最新を強調してくる商品。
  • 掃除機なのに「吸い取る」「ホコリ取り」などごく当たり前な内容がわざわざ記載されている商品。
  • 「航空テックデザイン」「最速かつ深くディープなクリーニング」など意味不明な日本語が記載されている商品。

これらは紛れもなく中国深センで大量生産されている格安中華製ガジェットです。購入する際は商品説明に目を通し「この製品でこの価格帯なら中華製でもあり得るよな」というみきわめを行うことが大切です。例えば「吸引力が24kpaで8,000円」という価格設定であれば不自然すぎる性能なので手を出さないようにしています。8,000円台なら18kpaが妥当なラインです。

inse N5の性能を試す

パッケージングのシンプルさと汎用備品の多さが中華製クオリティー

分かりやすくシンプルな意匠の梱包。これが届くと「Amazonから届いたな」というのが一目で分かります。

箱はアクのないシンプルなデザインで好印象。むしろ日本製品の箱の場合はなぜか空気清浄機の前でニコニコ笑っている家族の姿だとか、扇風機の前で笑う子供たちとか、いやいやそんなところで笑うヤツいないだろ的なシチュエーションが描かれていることが多いので、このあたりは中華製梱包のシンプルさを見習ってほしいところです。

ちなみに今まで使っていた掃除機はこちら。すでにAmazonから会社が消えていて身元不明なYUNDOO社のサイクロン掃除機。軽さに起因する使いやすさと吸引力は申し分ないのですが、先端が自走式パワーヘッドではないのでネコの毛を吸引するにはそこそこ手こずります。タイルマットのような繊維質に絡まったペットの毛を吸い取るにはパワーヘッドが不可欠です。

汎用備品の多さが中華製ガジェットのお約束

そしてこちらが今回購入したコードレスサイクロン掃除機の同封物。実際に使えるかは別として、他の中華製掃除機でも流用できる汎用パーツが勢揃いです。

そして今回のトピックでもある自走式パワーヘッド。我が家のフローリングは傷防止のためにすべてタイルマットを敷いているので(おかげで床暖房が使えない)、パワーヘッドでないと細かいゴミを掻き出すことができません。フローリングは掃除が楽なんですけど、ちょっと固いものを落としただけで凹んでしまうので管理が大変なんですよね。

説明書はちゃんと読めるタイプ。ところどころ日本語がおかしい部分もありますが、以前購入した中華製格安防犯カメラの説明書に比べれば全然マシなほう。

掃除機の主電源となるリチウムイオンバッテリーは当然ながら充電式。メーカー公表値では5.5時間の充電で最長45分の連続使用ができるとのこと。実際の充電時間と連続使用時間も計測したので後述します。ACアダプターには日本の電気用品安全法に適合するPSEマークが記載されているのは地味に凄いですね。捏造かもしれませんがPSEどころか何も記載されていないアダプターも多いです。

そして安すぎる中華製ガジェットのACアダプターは控え目に言って爆弾を所持しているようなものなので常に危険が伴います。顕著なのがモバイルバッテリーで、最近ではAnker(中国企業)のモバイルバッテリーが大量に発火したことで世間を賑わせました。ようはリチウムイオンバッテリーが爆弾で、ACアダプターが起爆剤のようなイメージに近いかと思います。

これらの要素から「性能に対して価格が安すぎる」ガジェットは選ばないほうが賢明です。

時限爆弾を演出するようなインジケーターも搭載。充電中は点滅、充電が終わると全点灯します。

フィルターが金属製なのは嬉しいポイント。以前の掃除機は不織布タイプだったので洗うのも乾かすのも大変でした。

吸引力はあるがロゴのダサさが掃除機全体の評価を落としてしまう

そして中央に鎮座するダサいロゴ!このMicrosoftのWordで作ったかのような太ゴシック、斜字、小文字の組み合わせが絶望的にダサいです。全体的な掃除機のデザインはカッコいいのに、このロゴだけですべてを台無しにしてしまう破壊力があります。読み方も「インセ」なのか「インス」なのか分かりません。ロゴが読めないのは中華製あるある。

想像以上の吸引力

電源を入れるとパワーヘッドのLEDが光ります。最初は必要のないギミックだと思っていたのですが、本当に暗い箇所ではそれなりに効力を発揮します。パワーヘッドの回転もスムーズかつ力強く、良い意味で期待を裏切られた感じ!大切なことなので何度も言いますが、唯一の難点はロゴマークがぶっ倒れそうになるくらいダサいこと。

電池残量は取っ手部分にあるインジケーターで確認できます。使用方法はダイソンのような「トリガー押しっぱなしタイプ」ではなく「スイッチ式」なので癖がなく扱いやすい印象ですね。スイッチを押して弱、もう一度押すと強、さらに押すと電源がオフになります。個人的にトリガー式だと指が痛くなるのでスイッチ式を採用してくれたのは嬉しい(近年のダイソンはスイッチ式)。

全体像はこんな感じ。個人的には好きなテイストです。前述した通り格安中華製掃除機のほとんどは深センで製造されるOEM品なので、微妙に異なるデザインとロゴマーク、価格以外は基本的に同じ製品だと思って差し支えありません。ですのでここは潔く「自分の好きなデザイン」に割り切って選んだほうが幸せになれると思います。

ゴミの排出は下からパカッ方式。ダストボックスごと外せるタイプと比べると掃除をしにくい反面、ゴミを排出する手順に関してはめちゃくちゃ楽です。ダイソンみたいにフレームを外してガシャン!なんてことをしなくても一発で排出できるのは本当に便利。

パワーヘッドはハードブラシとソフトブラシの組み合わせ。全面ソフトブラシではないのでカーペットやタイルマットの上でも使用可能。

さっそく部屋全体を掃除してみたのですが、吸引力は予想以上に強かったので申し分ありません。さすがにコードタイプのサイクロンには出力で劣りますが、そこはパワーヘッドの力でグイグイとゴミを吸い取ってくれます。今まで取れなかったネコの毛も数回パワーヘッドを当てれば取れるのでなかなか優秀ですね。

ちなみに充電時間はメーカー公表値の5.5時間(残量ゼロの場合)でおおよそ合っていると思います。使用頻度が高いと思われる強モードでの連続使用時間は約12分、弱モードで約20分となりました。さすがに45分の連続使用は無理がありますが、商品ページにはしっかりと「最長45分」と記載されているので嘘の表記というわけではありません。あくまで最長⋯ですから。

掃除機としてほとんど不満が見当たらない

個人的な感想としてはズバリ「買い」です。8,299円でこれだけ使えれば十分です。絶対的な吸引力があるわけではありませんが、だからといってダイソンを選ぶのも少し違うと思います。確かにダイソンの吸引力は他社を圧倒するほどのパワーをもっていますが、ここで忘れてはならないのはあくまでダイソンもコードレス式であることです。

絶対的なパワーを追求すればバッテリーを使用するコードレス式が常時電源のコンセント式に敵うわけがありません。今回この掃除機を使ってみて分かったことは「コードレス式は出力の低さをパワーヘッドで補っている」という点でした。ダイソンはおそらくこのパワーヘッドが優秀であり、絶対的なパワーが特出しているわけではありません。

それにダイソンであっても取れないゴミ(特にペットの毛はコンセント式であっても手強い)は取れません。本当に吸引力を求めるのならコンセント式を購入すれば良いわけで、気軽に使えるコードレス式の利点を生かすのなら闇雲に高い掃除機を選ぶのではなく、格安中華製掃除機も視野に入れたほうがトータルコスト的に優れている場面も多々あります。

今回の検証では絶望的にダサいロゴ以外は特出した不満もなかったので、中華製掃除機の進化を垣間見る良い機会になったかと思います。

created by Rinker
¥17,139 (2025/12/11 11:58:22時点 楽天市場調べ-詳細)

コメント