財布はズボン派にとって薄さは最優先事項
小銭やカードをフルで収納しても厚さは1cm

私は外出するときは基本的に手ブラ派。満員電車に乗るときはカバンが邪魔だし、地味に肩も痛くなる⋯。必要なツールはスマホと財布、モバイルバッテリーだけなのでズボンのポケットや上着の収納をフル活用してなるべくカバンの類は持ち歩かないようにしています。そのため財布はズボンの後ろポケットに入れることが多く、財布の厚みでボッテリ感があることに悩んでいました。
支払いもごく一部の自販機で硬貨を使用する以外はカードで済ませてしまうので、見た目のスッキリ感重視で薄い財布を探していました。そこでAmazonのブラックフライデー期間中に見つけたのがFINALE UT(EDISON LAB製)の超薄型財布。Amazonの商品ラインナップの中では珍しく日本メーカー製となります。信頼性において日本メーカー製の右に出るものはありません。
ちなみに価格は3,980円(Amazonブラックフライデー期間中の価格)。公式でも5,200円(会員登録42%引き)なのでめちゃくちゃ高価というわけでもありません。
ドイツ製レザーペーパーとは

この財布の最大の特徴はドイツ製のレザーペーパーを採用していること。レザーペーパーとはその名の通り「革っぽく見せた紙」であり、特殊な加工を施すことで破れにくく防水性能があり、見た目も革っぽくなるというなんとも環境に優しそうな素材。このレザーペーパーのおかげで僅か7mmという超薄型を実現しています。ちなみに中国製の本革仕様もありこちらは9mmと少し厚めです。
本革のほうが耐久性はありますが、私はとにかく薄い財布が欲しかったのでレザーペーパーを選択してポチったわけです。価格もレザーペーパーのほうが本革よりも1,000円ほど安く設定されていました。まぁ所詮は紙ですからコストもかからないのでしょう。手放す際には燃えるゴミにポイっと捨てられるのも紙製であるメリット。エコロジーが正義とされる世の中にピッタリです。
触った質感は明らかに革じゃない


レザーとは言えど結局は紙なので触った質感はふつうに硬いです。なんか見た目を良くしたボール紙みたい。従来の本革の質感を期待しているとかなりやっちまった感が生じるかと思います。例えるなら「はやと」という名前を見てどんな人なのかを想像していたら、実際に会ってみると全然「はやと」ではなくどちらかというと「げんた」な顔をしていたときの違和感に似ています。
ようするに名前と顔が一致していない!という事例です。見た目は質感が高いのに触ってみるとかなり安っぽいというジレンマは本革好きな人にとっては耐えられない可能性が高いです。しかしながらドイツ製の新素材という目新しさと、質感よりも薄さを重視するならレザーペーパー一択となるでしょう。実際に私も薄さを究極的に求めた結果こちらを購入したわけですから。
慣れたら便利か!?癖のある収納方法
硬貨も紙幣もカードもキーも全部乗せ

FINALE UTは極薄ながら財布としての機能をスポイルしていないところが素晴らしい。カードやモバイル決済が全盛の世の中であっても、地方の駐車場や自動販売機にはまだまだクレカに対応していないことも多く、現金が必要になる機会も少なくありません。私は旅行が趣味なので時間があれば家族と車で出かけたりはしますが、現地での現金決済を求められる場面は多々あります。
そこで最低限の紙幣や硬貨を収納できることは地味にポイントが高くなる要素です。公式の推奨では硬貨12枚くらいが適切とのことなので、変に現金で買い物はせずに端数のない出費⋯例えば駐車料金を支払う際には重宝するかと思います。一方で243円とか762円とかのように細かいお釣りが発生する場面においては不向きな財布と言えるでしょう。
薄さの秘密は金具を廃したこと

この財布には金具が一切ありません。そのためカード類を金具で傷める心配もありません⋯と言いたいところですが、実は使い方によってはカード類に傷がつく致命的な金具が発生します。それが「カギ」です。この財布にはカギを収納できる切り込みがあるのですが、この箇所にカギを収納した際に財布を折りたたむと見事にカギがカード類に干渉します。
ズボンのサイドポケットなら影響が少ないですが、座った際に重量がかかる後ろポケットに入れた場合はカギとカードが擦れて傷がつく可能性があります。私は断然後ろポケット派なので、カギの収納は諦めて別で保管するようにしています。
レザーペーパーのペラペラ感が使い勝手に影響が出る
とにかくこの財布は癖が強いです。「硬貨を転がしてトレイに広げる」という発想は面白いのですが、ペラペラな紙であるがゆえに手の平での収まりが悪く、かと言って滑りが良いわけでもないので使いやすいかと聞かれたら正直微妙です。使用していくうちに慣れていくそうですが、少なくとも万人受けするような構造ではありません。とにかく「ズラしてロック」が難しいです。
このあたりは多少厚みのある本革のほうがしっくりくるのかもしれませんが、究極の薄さだけがこの財布の存在意義でもあるのでレザーペーパーの薄さは譲れません。この財布は使い勝手も工夫されていて作者の誠意を感じさせる逸品ですが、私のように「薄さが正義」と感じる人にこそ絶対的価値が生まれます。薄さはロマン、この独特な機構は薄さを実現させるための副産物なのです。
存在について考えさせられる稀有な存在
この財布は「存在感がありながら存在感がない」という不思議な側面をもっています。新素材であるレザーペーパーや独特な収納機構は多くの人の興味を惹きつけますが、実際に使用してみると薄すぎて存在感が皆無になります。むしろポケットに入れたはずの財布が消えたかのような錯覚を覚えるくらいに違和感なくポケットに収まるので、落としていないかたまに不安になります。
この薄さに関しては大変満足で、おそらくこれ以上薄い財布は今後この世に誕生しないのではないかとさえ思ってしまいます。ちなみにレザーペーパーは本革とは異なり使っていくうちに柔らかくなったり使用感が生まれるといったレザー特有の現象は発生しません。経年劣化を楽しむものではないことを理解しておく必要があります。薄さを楽しむことがこの財布の本命です。
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