トヨタ ヴィッツ(1.0F)レビュー

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意外と歴史の長いトヨタの看板車種

  • 直列3気筒
  • 1,000cc
  • 69馬力/トルク9.4

世間がアンゴルモアの大王(知る人ぞ知る2000年問題)に怯える1999年…突如我々の目の前に現れたのはカッシーニではなくトヨタの完全新作車種、ヴィッツでした。ちなみにカッシーニとはアメリカの土星探査機のことで2000年問題の時に少しばかり騒がれたわけですよ。詳細はwikiにて!

そもそもヴィッツの前身はスターレットというゼロヨンチャンプ(SFC)でなぜか抜擢されたコンパクトカーだったんだけど、当初のトヨタはヴィッツのコンセプトが前衛過ぎてて「売れないのでは?」的な懸念からスターレットと併売されていたんですよね。今回はそんなヴィッツなお話です。

エクステリア

デザインは特に語ることもなく一昔前の「THEトヨタ」な印象です。カッコいいとも悪いともカワイイともブサイクとも言えません。強いて言えば色がダサい。一見シルバーに見えても光の加減によってはパープルにも見えます。なんだか先代アテンザのライラックシルバーを思い出しました。

プリケツ!いや、ヴィツケツ!

インテリア

乗った瞬間から伝わってくるチープさがトヨタ車(日産もだが)の特徴でもあり、グレードも低いのでハンドルがウレタンだったりタコメーターが省かれていたりとコストダウンが目立ちます。トヨタマークだけは上位のプリウスだったりハリアーだったりと同じ部品なので輝きレベルは全車共通です。

メーター照明は視認のしやすいアンバー色。

シフトレバーは誤操作の起きにくいゲート式を採用。

世の中に何パーセントいるのか分からないプラスチックフェチが歓喜するレベルのチープなインパネです。どう見てもエアコンの吹出口だろ的な箇所にハザードのスイッチがあるので初見では探し回りました。エアコンの操作系統は感覚的に行えるので良好です。

後部座席から眺めたインパネ周り。

レッグスペースはかなり狭いですね。2人旅で後部座席は荷物置き場として利用するのが最適でしょう。

荷室。それ以上でもそれ以下でもない。

走行インプレッション

当たり前ですけど1,000ccの69馬力なので非力です。アクセスを踏み込むとCVT特有の悲しい雄叫びが車内にこだまし、音の割には速度が出ていないというヤキモキ感で心を満たしてくれます。でもまぁふつうに市街地で買い物をするくらいなら扱いやすいエンジンですね。

そもそも安い立ち位置のコンパクトカーなので求められるのは高級感でもなければ余裕のある動力性能でもありません。この車に必要なのは購入価格とランニングコストの安さであり抜きん出た快適性能ではないのです。それでも昔のコンパクトカーの基準に比べればだいぶ良くなっていますよ。

燃費は走行距離142kmに対して給油量が8.9Lなので1.0Lあたり約16キロの計算。ハイブリッドではないただのガソリン車としてはなかなか優秀。

さらばヴィッツよ

そうです、2020年にヴィッツは消えてヤリスになっちゃいました。そもそもヴィッツは海外だとヤリスとして販売されていたので世界共通のネーミングに変更したような感じです。ようするに日本国内向けにヴィッツで売っているとエンブレムを専用で作らないといけないのでコストがかかるんですよね。

でも時代に合わせてネーミングが変わることなんてちょこちょこありますし、逆に変えたことによって結果的に良かった例もあるので何とも言えません。例えばトヨタプレミオの前進はコロナという名称でしたが、これに「新型」を加えるととんでもなくヤバいことになりますからね…。

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