除湿機の本当の使い方
除湿機はバスルームのような密室で使うことでランドリールームになる
除湿機は部屋の湿度を下げることを目的とした加湿器と対を成すニッチ家電ですが、エアコンでも除湿機能があるのでイマイチ存在感(というか利用価値)の薄いガジェットです。あからさまに湿度が下がる冬場であれば加湿器の恩恵が大きいのですが(加湿機能はエアコンにないため)、夏場はエアコンの除湿機能で事足りるので除湿機がなくても基本的に困ることはありません。
しかしながら年中湿気に侵されながらもエアコンの着けられない領域があります。そう、バスルームです。例えばカビキラーは基本的にどこで使う薬剤だと思いますか?おそらくバスルームだと思います。バスルームは湿気の発生源である水滴が大量に残留する空間なので、窓を開けたり換気扇を回したり程度ではなかなか水滴は取れません。浴室乾燥機を使えば解決するかもしれませんけど電気代が凄いことになります。
そこを見事にスパッと解決してくれるのが除湿機です。バスルームで除湿機を使うと洗濯物を乾かせるだけではなく、副次効果でカビも防止することができます。この除湿機のおかげで我が家のバスルームは今に至るまでほとんどカビが発生していません。化粧カバーの裏はさすがにカビてますけど…。
電気代がかからないのはコンプレッサー式
除湿機の電気代は浴室乾燥機と比べるとかなり安いです(下述参照)。除湿機には大きくコンプレッサー式、デシカント式、ハイブリッド式があり、電気代が安いのはコンプレッサー式です。
| 特徴/方式 | コンプレッサー式 | デシカント式 | ハイブリッド式 |
|---|---|---|---|
| 温度高 | ◎ | △ | ◯ |
| 温度低 | ✕ | ◎ | ◯ |
| 電気代 | ◎ | ✕ | ◯ |
| 特徴 | 電気代が安い | 加湿もできる | 年中使用可 |
| 処分 | 粗大ゴミ不可 | 粗大ゴミ可 | 粗大ゴミ不可 |
コンプレッサー式は室内温度が高い場合に最大限の効果を発揮しますが、温度が低くなるとほとんど除湿できません。デシカント式はコンプレッサー式と逆の特性をもっていますが、ヒーターを使用するので電気代は高くなります。ハイブリッド式はこれらの中間に当たります。コンプレッサー式除湿機のほとんどにはフロン類が封入されているため、通常の粗大ゴミでは断られてしまうケースが多いです。
ハイブリッド式もフロン類を使用していればコンプレッサー式と同様に処分方法に工夫が必要となります。
タンスのゲンはタンスだけではなく他の製品も販売している
ニコラス・ケイジも刑事じゃない
タンスのゲンはタンスとは名ばかりで、むしろタンスはほとんど売っていません。どちらかというとアイリスオーヤマに近い商品展開を行なっています。もちろん除湿機も多数販売しており、今回購入した除湿機もタンスのゲンのものです(購入はAmazon)。個人的には排気ガスと防犯上の観点から外干しを一切しないので、除湿機がないと洗濯物が乾かなくて困ってしまいます。
実は2020年5月にAmazonで購入したアイリスオーヤマ製の除湿機が故障してしまったので、その代替品としてタンスのゲンの除湿機に買い替えた感じです。
タンスのゲン除湿機のスペック


Amazonで「除湿機、安い、パワフル」と検索すると、日本メーカーの中ではアイリスオーヤマとタンスのゲンくらいしかヒットしません。価格はちゃんとした性能を謳う除湿機の中ではトップクラスに安い13,499円。上述したアイリスオーヤマの除湿機が15,800円にまで値上げを行っているので、実質的に多少信頼ができそうな製品の中では一番安いコンプレッサー式の除湿機になります。

サイズ比較。右がアイリスオーヤマ(2020年製)で左がタンスのゲン(2024年製)。
除湿能力は12L/1日。一般的な3人家族の洗濯物をバスルームに干して夏は8時間、冬は12時間で乾くくらいの性能です。サイズは高さ46cm、幅30cm、奥行き19cm。重さは10kg以上あるので持ち運ぶのは決して楽ではありませんが、除湿機としては珍しくキャスターが付いているので転がして移動できます。

タンク容量はアイリスオーヤマの半分以下である3L。レビューで「持ち運び時に水が垂れる」という意見を反映してか、水が出てくる部分にシリコン製の蓋が装着されています。製品ページを見ると頻繁に改良が施されており、この改良スピードは怪しい中華製ガジェットに匹敵するくらいの早さです。

ドレンホースを繋げることでタンク容量を無視した連続運転が可能になります。洗濯物が多いとすぐにタンクが満杯になるので、これは非常に助かる付属品ですね。

横のシールを見ると「R134a」の表記があり、これは代替フロンを使用していることを表しています。この表記がある場合は通常の粗大ゴミとして処分できないことが多いです。

中央には湿度表示機能があります。モードは主に通常の「強/弱」、「タイマー」、「衣類乾燥」などが搭載されています。ルーバーはありませんが風の勢いが強力なので特に問題はありません。
夏場ならカラッと乾く抜群の除湿性能

スイッチオンから3時間。なんとすでにポロシャツが乾いていました。1日12Lの除湿能力は嘘ではない…と思います。

湿度の数値もかなり下がっていますね。バスルーム内の水滴も見事にカラッと乾燥しています。耐久性は不明ですが、この除湿能力を保ったまま3年くらい使えれば13,499円というコスパの良さが確実なものとなります。必要な手入れは定期的なフィルターとタンク清掃くらい。「除湿機はどれを選んだらよいか分からない」という人にとっては間違いなく失敗しない除湿機だと思います。
浴室乾燥機から除湿機に変えると10年間で約53万円の節約が可能!

それでは肝心要の電気代を計測していきましょう。
まずはコンセントに挿した状態での待機電力。

おおよそ1時間あたり0.02円です。コンセントを1日外さないことを想定して、1日あたりの待機電力は約0.24円、1ヶ月あたりの待機電力は約7.2円となります。
次に「弱モード」。

1時間あたり2.97円、メーカーがなぜか1日8時間で計測したがる電気代表記だと洗濯物が乾ききらないので、厚手の物が集中しなければバスルーム内で確実に乾くであろう1日12時間で計測すると1日あたり35円、1ヶ月あたりの電気代は約1,050円となります。
次は「強」モード。

なぜか「弱モード」よりも安い2.94円の数字を叩き出しましたが、おそらくこれは「弱モード」と「強モード」の違いがコンプレッサーではなくファンの回転出力によるものだと思われます。エアコンの風量を「弱」にしても「強」にしても電気代に大差がないのと同じように、モーターの回転機構のみの変化であればだいたい同じくらいの数値です。
つまり「強モード」の電気代は「弱モード」と同等か少し高いくらい(モーターの出力は確実に上がっているので弱より安いということはないかと…多分)。
次は「ランドリーモード」いわゆる洗濯物を乾かすためのモードです。

室内の湿度だけではなく、洗濯物も同時に乾かしたい場合は基本的にこちらを多用することになるかと思います。1時間あたりの電気代は約3円、1日12時間使用すると36円、1ヶ月あたりの電気代は約1,080円です。意外と「強モード」と同程度の数値になりました。電気代においてはコンプレッサー式の利点が明確に現れた形となります。
ちなみに以前住んでいたマンションでは引っ越す直前まで除湿機を購入していなかったので、バスルーム内に標準の浴室乾燥機で洗濯物を乾かしていました。1日4時間ほど使用して(電気代が凄かったのでタイマーを設定していました)1ヶ月あたりの電気代は平均5,884円です。つまり1年間使用すると約70,608円となります。
除湿機(ランドリーモードを使用した場合)と比較すると1ヶ月あたり約4,804円の節約、1年間あたりだと約57,648円の節約、10年間だと約576,480円の節約になります。365日の稼働で約3年間で故障、買換(同製品で13,499円×3回の買換で40,497円及び物価の変動を考慮しない場合)を考慮しても10年間で約535,983円の大幅節約が可能です。
洗濯物はほぼ毎日乾かす必要があるので、考え方によっては10年後に約535,983円の臨時収入が入ると思えばかなり実質的な節約術ではないでしょうか。さらに浴室乾燥機にも寿命があり、賃貸でない場合はこれらを負担することになるので全体的な金額で考えると53万円以上の節約が見込めます。株式投資よりも確実に結果が現れるのが除湿機なのです。
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