メルセデスのエントリーモデル
- 直列4気筒
- 1,600ccターボ
- 122馬力/トルク20.4
愛猫の健康診断用に購入しました。オープン2シーターのZ4だと荷物を積むことすらままならないので、取り回しが良くてそこそこ運転が楽な車を探したらメルセデスのAクラスに辿りつきました。Cクラスだと新しい駐車場に入らないからね…。
エクステリア
新型には間に合わなかったので3代目(W176 )のAクラスになります。初代は燃料電池車を計画していた経緯からおにぎり型、いわゆるサンドイッチ形状のずんぐりとしたデザインでしたが、3代目からは写真のようなアグレッシブなテイストに生まれ変わりました。
フロントは先代のCLSのようなデザインで押し出し感が強いですが、リアはキュッと引き締まったシンプルなものです。とりわけサイドビューが細く引き締まったような印象を受けますが、室内からの視界は予想以上に良好なものでした。
Aクラスとは言えどもさすがはメルセデス!ウェルカムランプは標準で搭載されています。
インテリア
メーターは260キロスケールの上質なものです。中央の液晶部分には走行状態を示す計器類や瞬間燃費、オーディオの状態などを表示することができますが、私は速度メーター(デジタル)をデフォルトにしています。260キロスケールって日本だと見づらいんですよね。
インテリアはメルセデスでもフラッグシップに相当するSLRマクラーレンをデザインした人と同じデザイナーが担当しています。そのため航空機をモチーフにしたフィン状のエアコンルーバーが個性的なアクセントのひとつになっています。
全体的なイメージはスポーティー色が強いものの、同クラスのライバルであるBMW 1シリーズと比べるとより高級志向であることが伺えます。ただパネル周りがゴチャゴチャとしているのでインテリアはBMWのテイストのほうが好みです。
スカッフプレートも光る。
室内をムーディーに演出するアンビエントランプ。最新のメルセデスはエッジのきいたグラスファイバーのような光を採用しているので、旧来のほんわかとしたランプ類もなかなか味があって良いのではないでしょうか。
シートは全体を包みこむようなタイプなので遠距離ドライブでも疲れません。少なからず片道2時間半の遠出において腰の痛みなどを感じることは皆無でした。まぁ結局のところメルセデスですからね。造りこみにおいては文句なしです。
走行インプレッション
122PSを発揮するエンジンにクラッチレスMTの7速DCTが搭載されています。正直FIAT500のデュアロジック(DCT)の経験からあまり期待はしていなかったのですが、メルセデスのDCTは予想を遥かに覆すくらいにスムーズなものでした。
122PSという数値だけ見ると排気量の割には非力な感があるのですが、アクセルを踏みこむとしっかりとターボがきき(むしろ踏みこまないとターボが仕事をしない?)体がシートに押さえつけられる加速を得られます。合流も楽チンですね。
ハンドルはダイレクトかつ重みのあるものであり、国産車の軽いハンドルになれた人には多少違和感が残るかもしれません。ただこのハンドルを一度味わうと、国産車を運転した際の異様な軽さに不安を覚えるかと思います。コンパクトクラスとしては最上の出来映えではないでしょうか。
一方でネガティブな面も皆無ではありません。これはAクラスだけではなくメルセデス全般なのですが、ブレーキペダルがやたらと手前に位置しています。ようするにアクセルを踏んだあとにブレーキを踏もうとすると足を手前に引かないといけないんです。
Aクラスはオルガン式のアクセルではありませんが、それでも足を手前に引く動作は少しだけ神経を使いますね。おそらく緊急時にブレーキを強く踏みこめるようにこうした配置になったのかと思いますが、日常的に急ブレーキなんて踏まないのでもう少し奥にあってもいいかなと思います。
とは言え決して運転できないほどのレベルではないので慣れてしまえばほとんど問題ありません。日常的な買い物での取り回し性、高速走行での安定性、どれを取っても高次元で両立しているのであえてコンパクトなAクラスを選択する意味はあると思います。ちなみに実燃費は12キロくらい。
Aクラスという選択
今回の走行テストで感じたことは、一昔前までの「AクラスはCクラス、Eクラスの下位互換」というイメージから積極的にAクラスを選べるような完成度になったということです。当然Aクラスよりも上位クラスのほうが居心地や性能が良いことに異論はありません。
一方で私のような都心部かつ道幅が狭く、駐車場が絶望的に入りにくい地域(厳密には駐車場ではなく前面道路が狭いせい)ではAクラスでないと満足に走れない場面があります。そんな時今までは小型車を選ぶ妥協感があったのですが、今回のAクラスはむしろ満足感のほうが高いです。
Z4はそのまま残しておくので気分を入れ替えて存分に走りたい場面でも過不足はありません。もうどっちがセカンドカーなのか分かりませんが、少なくとも日常での使い勝手は圧倒的にメルセデスが上ですね。これで猫の健康診断も安心(笑)
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